やけど(熱傷)とは
やけどは、熱、化学物質、電気、放射線などによって皮膚やその下の組織が損傷した状態を指します。やけどの重症度は、やけどの深さと範囲によって判断されます。
やけどの深さ(分類)
日本皮膚科学会の最新ガイドライン(2023年改訂版)によると、やけどの深さは次のように分類されます。
- Ⅰ度熱傷(表皮熱傷):皮膚の赤み(発赤)があり、痛みを伴うが、水疱はできません。通常、数日で痛みが治まり、痕は残りません。
- Ⅱ度熱傷(表在真皮熱傷と深達性真皮熱傷):皮膚に水疱ができ、痛みがあります。浅いⅡ度熱傷は2週間以内に治癒し、深いⅡ度熱傷は3〜4週間かかることがあります。深いものは瘢痕が残る可能性があります。
- Ⅲ度熱傷(全層熱傷):皮膚が白色、灰白色、または炭化した褐色になり、神経や血管が完全に破壊されるため、痛みを感じない場合があります。治癒は見込めず、外科的な処置や移植が必要です。
やけどの範囲と重症度
やけどの面積も重要な評価ポイントであり、一般的には「9の法則」や「手掌法」などを用いて全身の何%がやけどを負ったか推定します。範囲が広いと重症度が増し、全身管理が必要となります。例えば成人では、Ⅱ度熱傷が15%以上、Ⅲ度熱傷が10%以上の場合は重症とされ、入院治療が必要です。
低温やけどについて
低温やけどは、布団やこたつの中の「あんか」など、比較的低温の物に長時間触れて起こるやけどです。受傷後しばらくは軽症に見えますが、数日から数週間かけて徐々に症状が悪化することがあります。早期の受診と適切なケアが重要です。
治療とケア
日本皮膚科学会のガイドラインに基づく治療は、やけどの深さや範囲、患者の状態によって異なります。軽症例では外用薬を中心に治療し、感染予防や創傷の湿潤環境を保つことが大切です。
Ⅱ度熱傷の場合、銀含有ドレッシング材やハイドロコロイドといった被覆材が推奨されており、創傷治癒を促進します。重症例では入院して全身管理や手術的治療が必要です。
まとめ
やけどは、深さと範囲で重症度が決まり、それによって治療法が異なります。初期段階での正確な診断が難しいこともあり、経過観察が重要です。低温やけどは特に注意が必要で、遅れて悪化しやすいため早期受診をおすすめします。感染予防と適切な湿潤療法が回復を助けますので、やけどを負った際は速やかに医療機関へ相談してください。
参考文献
- 日本皮膚科学会 創傷・熱傷診療ガイドライン(第3版)2023