尋常性乾癬とは
尋常性乾癬は、慢性炎症性の皮膚疾患で、皮膚に赤く盛り上がった発疹とその上に銀白色の厚いフケのような鱗屑(りんせつ)が付着します。全国で約1000人に1〜2人が患っており、特に肘、膝、腰回りなど摩擦が多い部位に症状が現れやすい特徴があります。乾癬全体の約90%が尋常性乾癬で、多くの患者さんで症状が良くなったり悪くなったりを繰り返しますが、他人にうつる病気ではありません。
原因
尋常性乾癬の原因はまだ完全には解明されていませんが、免疫の異常が主要な要因であり、遺伝的な素因に加え、肥満、感染症、不規則な食生活、喫煙、ストレスなどの環境因子が発症に関与しています。免疫の異常により、皮膚の角化細胞が異常に増殖し、皮膚の代謝が通常より速く進み、その結果、皮膚が厚く盛り上がり、典型的な銀白色の鱗屑を形成します。
症状の特徴
- 皮膚の赤み(紅斑)
- 盛り上がり(浸潤・肥厚)
- 銀白色の鱗屑(はがれやすいフケ状のかさぶた)
- 約50%の患者にかゆみが伴う
- 爪の変形や関節炎を合併することもある
当院での治療
外用療法
- ステロイド外用薬で炎症を抑制
- ビタミンD3外用薬(カルシポトリオールなど)で角化をコントロール
- 必要に応じた配合剤の使用もあります
- 非ステロイド外用薬のタピナロフクリーム(ブイタマークリーム)で炎症を抑制
光線療法
- ナローバンドUVB療法:311nm波長の紫外線を用い、全身に広範囲効果が期待できる治療法
- エキシマライト療法:308nm紫外線を患部に集中照射する局所療法
内服療法
- PDE4阻害薬(アプレミラストなど):免疫の過剰反応を抑える
- TYK2阻害薬(新しい免疫調節薬):重症例に使用される
注射療法(生物学的製剤)
- TNF-α阻害薬、IL-17阻害薬、IL-23阻害薬など、免疫の特定分子を標的とした高効果の治療薬
- 患者の症状や状態に応じて使い分け、重症例の改善に大きな効果を発揮
まとめ
尋常性乾癬は慢性的に症状を繰り返す免疫疾患で、遺伝や環境が複雑に影響しています。治療は外用薬や光線療法、内服薬、生物学的製剤など多様な選択肢から患者さんに合った最適なものを選びます。これらの治療で症状をコントロールし、患者さんの生活の質を高く維持できることが期待されます。
参考文献・出典
- 近畿大学医学部皮膚科 「尋常性乾癬の治療」2025年
- 皮膚科Q&A「乾癬」