ニキビは皮膚の病気です|早めに治療したい理由とニキビ跡との関係
監修:太田多美 日本皮膚科学会認定皮膚科専門医 医学博士
著者:太田皮フ科クリニック
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- 皮膚科

ニキビは、多くの人が経験する身近な症状ですが、医学的には「尋常性ざ瘡」と呼ばれる慢性炎症性の皮膚疾患です。なぜニキビができるのか、ニキビ跡を残さないために早めの治療が大切な理由を解説します。
ニキビは「青春のシンボル」と言われることもあり、多くの人が経験する身近な症状です。
そのため、「ニキビくらいで皮膚科に行ってもいいのかな」と思う方もいるかもしれません。
しかし、ニキビは医学的には尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)と呼ばれる、慢性炎症性の皮膚疾患です。[1]
特に炎症が続くと、治ったあとに赤みや凹凸などが残る場合があります。軽いうちから適切に治療し、炎症をできるだけ長引かせないことが大切です。[1]
ニキビは皮膚の病気です
日本皮膚科学会の「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023」では、ニキビは毛穴と皮脂腺を中心に起こる慢性炎症性疾患とされています。[1]
日本では90%以上の人が経験するとされるほど身近な病気ですが、その身近さから「自然に治るもの」「思春期なら仕方がないもの」と軽く考えられることもあります。[1]
しかし、ニキビには医療機関で行える治療があります。
気になる症状が続いているのであれば、「これくらいで受診してよいのだろうか」と我慢する必要はありません。
ニキビはどこにできやすい?
ニキビは、主に皮脂腺が発達している部分にできます。
代表的なのは、
- 顔
- 胸
- 背中
などです。[1]
思春期以降に多くみられますが、大人になってからニキビが続いたり、繰り返したりすることもあります。
ニキビはなぜできる?
ニキビは、一つだけの原因で起こる病気ではありません。
主に、
- 皮脂分泌の増加
- 毛穴の出口がつまる角化異常
- 毛穴の中への皮脂の蓄積
- Cutibacterium acnes(C. acnes)の増殖
- それらに伴う炎症
など、複数の要因が関係して発症します。[1]
最初は「面皰」から始まります
毛穴の出口がつまって皮脂がたまると、面皰(めんぽう)と呼ばれる状態になります。
毛穴が閉じているものが白ニキビに相当する閉鎖面皰、毛穴が開いているものが黒ニキビに相当する開放面皰です。[1]
目立つ赤いニキビができる前から、毛穴の中では変化が始まっています。
アクネ菌は悪い菌なの?
いわゆるアクネ菌であるC. acnesは、もともと皮膚に存在する菌です。
そのため、「アクネ菌が皮膚にいること」自体が異常なのではありません。
毛穴がつまって皮脂がたまり、菌が増えやすい環境になることで、ニキビの炎症に関係します。[1]
「菌をすべてなくせばよい」という単純な病気ではなく、毛穴のつまりや皮脂、炎症などを含めて考える必要があります。
なぜニキビ跡が残ることがある?
炎症性のニキビでは、赤みや膿を伴うことがあります。
炎症が強くなると、治ったあとに、
- 赤み
- 色素沈着
- 皮膚のへこみ
- 盛り上がった瘢痕
などが残る場合があります。[1]
特にへこみを伴う瘢痕などは、一度できると治療が難しくなることがあります。
日本皮膚科学会のガイドラインでも、軽症のニキビであっても瘢痕を残す場合があること、早期治療によって瘢痕を予防できる可能性を示すデータがあることが述べられています。[1]
そのため、「ひどくなってから治療する」だけでなく、できるだけ炎症を悪化させないこともニキビ治療では大切です。
ニキビは早めに治療することが大切です
ニキビ治療では、今できている赤いニキビだけを見るのではなく、その前段階である面皰や、炎症が治まった後の再発にも目を向けます。
日本皮膚科学会では、炎症を治療した後も、面皰や目に見えにくい微小面皰に対する治療を続ける「維持療法」という考え方を示しています。[1]
つまり、
できたニキビをその都度治すだけではなく、新しい炎症をできにくくすることまで含めて治療する
という考え方です。
皮膚科への相談を考えたいタイミング
ニキビの程度は人によって異なるため、「何個できたら必ず受診する」という一律の基準だけで判断する必要はありません。
例えば、
- ニキビを何度も繰り返している
- 赤く腫れたニキビや膿を伴うニキビが増えてきた
- 痛みのあるニキビがある
- ニキビ跡が残り始めている
- 市販のスキンケアだけでは改善しない
- ニキビなのか別の皮膚疾患なのか分からない
- 見た目が気になり、日常生活で負担を感じている
といった場合は、皮膚科へ相談する選択肢があります。
ニキビに似ていても、酒皶など治療方法の異なる皮膚疾患もあります。自己判断だけで長期間治療を続けず、症状が気になる場合は医師に確認することが大切です。[1]
太田皮フ科クリニックでは、ニキビを含む一般皮膚科の診療を行っています。
ニキビが繰り返す、赤みや膿を伴う、跡が残り始めているなど、気になる症状がある場合は皮膚科でご相談ください。
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よくある質問
ニキビは自然に治るまで待ってもいいですか?
自然に軽快するニキビもありますが、ニキビは慢性炎症性の皮膚疾患で、軽症でも跡が残る場合があります。[1]
繰り返す場合や炎症が強い場合、跡が気になり始めた場合は、悪化するまで待たず皮膚科へ相談することを検討してください。
白ニキビでも皮膚科で相談できますか?
白ニキビに相当する閉鎖面皰は、ニキビの初期段階の一つです。[1]
炎症が起こる前の段階から治療対象となることがあるため、「赤くなっていないから治療できない」というものではありません。
アクネ菌がいると必ずニキビになりますか?
いいえ。C. acnesは皮膚に存在する菌です。
毛穴のつまりや皮脂の蓄積などが起こり、面皰内で増殖することで炎症に関係します。[1] アクネ菌の存在だけでニキビが決まるわけではありません。
まとめ
ニキビはとても身近な症状ですが、医学的には「尋常性ざ瘡」という皮膚疾患です。
皮脂の増加や毛穴のつまり、C. acnes、炎症など複数の要因が関係して発症し、炎症が続くと跡が残ることもあります。
「ニキビくらいで皮膚科に行くのは大げさかな」と考える必要はありません。
症状が繰り返す、炎症が強い、跡が気になるなどの場合は、早めに皮膚科へ相談してみてください。
参考文献
- 日本皮膚科学会「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023」 日本皮膚科学会「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023」