太田皮フ科クリニック

そのニキビ跡、治し方が違うかもしれません|赤み・茶色・クレーターで治療が変わる理由

監修:太田多美 日本皮膚科学会認定皮膚科専門医 医学博士

著者:太田皮フ科クリニック

  • ニキビ跡
  • 赤いニキビ跡
  • 紫のニキビ跡
  • 色素沈着
  • クレーター
  • ケロイド
  • 肥厚性瘢痕
  • 尋常性ざ瘡
  • 皮膚科
  • 名古屋市南区

ニキビ跡

ニキビ跡には赤み・赤紫色・茶色い色素沈着・クレーター・盛り上がった瘢痕などがあります。それぞれの原因や自然経過の違い、皮膚科へ相談する目安をタイプ別に解説します。

はじめに

  • 「ニキビは治ったのに、赤い跡がずっと残っています」
  • 「茶色くなったニキビ跡はシミなのでしょうか?」
  • 「紫っぽい跡や、でこぼこしたクレーターも全部“ニキビ跡”ですか?」

このようなご相談をいただくことがあります。

こんにちは。

名古屋市南区の太田皮フ科クリニック、皮膚科医の太田多美です。

一口に「ニキビ跡」と言っても、実はすべて同じ状態ではありません。

そして、ニキビが治ったあとには、

  • 赤い跡
  • 赤紫〜紫色に見える跡
  • 茶色・褐色の跡
  • へこんだクレーター状の跡
  • 赤く盛り上がった跡

など、さまざまな変化が残ることがあります。

そして大切なのは、色が残っているだけの状態と、皮膚そのものの構造が変化している瘢痕では、考え方が異なるということです。

今回は、ニキビ跡を見た目のタイプ別に整理しながら、

「これは自然に薄くなる可能性があるのか」

「どのタイプは治療が難しくなりやすいのか」

を、できるだけわかりやすくお話ししたいと思います。

結論:ニキビ跡は大きく「色の変化」と「瘢痕」に分けて考えます

ニキビのあとに残る変化は、大きく分けると次の2つです。

1. 色の変化

  • 赤み
  • 赤紫色
  • 茶色・褐色

などです。

皮膚が平らであれば、炎症後の紅斑や色素沈着である可能性があります。

2. 皮膚の形が変わった瘢痕

  • 凹み
  • クレーター
  • 盛り上がり

などです。

こちらは、ニキビの炎症によって皮膚の深い部分までダメージが及び、組織の修復過程が変化した状態です。

赤いニキビ跡|炎症後の赤みが残っていることがあります

ニキビに炎症が起こると、その部分には血流が集まり、周囲の微小血管にも変化が起こります。

ニキビそのものが治ったあとも、

赤みだけが残ることがあります。

これは一般的に「炎症後紅斑(えんしょうごこうはん)」と呼ばれる状態に含まれます。

赤いニキビ跡は自然に消える?

赤みは、時間とともに徐々に目立ちにくくなることがあります。

ただし、

  • 炎症が強かった
  • 同じ場所にニキビを繰り返した
  • 触ったりつぶしたりしていた
  • 新しいニキビが続いている

といった場合には、長く残ることもあります。

紫色・赤紫色のニキビ跡|赤みが濃く見えている場合があります

ニキビのあとが、

「赤というより紫色に見える」

という方もいらっしゃいます。

このような色味は、炎症後の血管変化や赤みの程度、皮膚の色調などによって、赤紫〜紫色に見えることがあります。

紫色のニキビ跡も自然に薄くなることがあります

皮膚が平らで、主に炎症後の色調変化であれば、時間とともに薄くなっていくことがあります。

ただし、

  • 何か月もほとんど変化がない
  • 色が濃くなっている
  • へこみも一緒にある
  • 触ると硬い
  • 新しい炎症が続いている

場合には、単なる色の変化だけではないこともあります。

気になる場合には、一度皮膚科で状態を確認するのも選択肢です。

茶色・褐色のニキビ跡|炎症後色素沈着のことがあります

ニキビが治ったあと、

  • 茶色
  • 薄茶色
  • 褐色

のシミのような跡が残ることがあります。

これは炎症後色素沈着である可能性があります。

ニキビの炎症から肌を守ろうとしてメラニンが作られ、その色素が皮膚に残ることで茶色く見えます。

茶色いニキビ跡は自然に薄くなる?

炎症後色素沈着は、時間とともに少しずつ薄くなることがあります。

ただし、改善までには数か月以上かかる場合もあります。

AADでも、ニキビ後に残る平らな茶色や黒っぽい斑点は永久的な瘢痕とは異なり、時間とともに薄くなることがある一方、1年以上続くこともあるとしています。

そのため、

「茶色い=一生残るニキビ跡」ではありません。

ただし、新しいニキビを繰り返していると、新たな色素沈着が追加されてしまいます。

まず新しい炎症を抑えることも大切です。

でこぼこ・クレーター状のニキビ跡|皮膚の構造が変化した瘢痕です

ニキビ跡の中でも、

  • 皮膚がへこんでいる
  • でこぼこしている
  • 光が当たると影ができる

といった状態は、萎縮性瘢痕である可能性があります。

強い炎症を繰り返すと、皮膚の深い部分までダメージが及び、治る過程で十分なコラーゲンが再構築されず、へこみとして残ることがあります。

クレーターにもいくつか種類があります

アイスピック型

小さいですが、皮膚の深いところまで細くへこんでいるタイプです。

ボックスカー型

丸形・楕円形で、比較的はっきりとした縁のあるへこみです。

ローリング型

広く浅いへこみで、肌表面が波打って見えるタイプです。

クレーターは自然に治る?

赤みや色素沈着とは異なり、クレーター状の瘢痕は皮膚の構造そのものが変わっています。

そのため、

時間がたてば完全に元の皮膚へ戻る、とは言いにくいタイプです。

治療を希望する場合には、瘢痕の形や深さを確認したうえで、治療方法を考えます。

ただし、治療をするかどうかは患者さんが決めることです。

まず自分の跡が本当に瘢痕なのか、それとも色の変化なのかを確認することから始めてもよいと思います。

赤く盛り上がったニキビ跡|肥厚性瘢痕やケロイドの場合があります

ニキビのあとがへこむのではなく、

  • 赤く盛り上がる
  • 硬くなる
  • しこりのように残る

ということがあります。

これは、皮膚が傷を修復する過程で瘢痕組織が過剰に作られ、肥厚性瘢痕やケロイドになっている可能性があります。

ニキビ跡を色と形で整理すると

見た目
考えられる状態
自然経過
赤い
炎症後紅斑
徐々に薄くなることがある
赤紫・紫
炎症後の血管変化など
徐々に改善することがある
茶色・褐色
炎症後色素沈着
時間とともに薄くなることがある
へこんでいる
萎縮性瘢痕・クレーター
自然に元へ戻りにくい
赤く盛り上がる
肥厚性瘢痕・ケロイド
自然に平らになりにくい場合がある

この表はあくまで目安です。

同じ場所に、

赤み+色素沈着+クレーター

のように、複数の変化が混ざっていることもあります。

そのため、色だけで自己診断するのは難しいことがあります。

ニキビ跡を残さないためには、今あるニキビを治すことも大切です

ニキビ跡のことを調べていると、

「できてしまった跡をどう治すか」

に目が向きがちです。

一方で、皮膚科医として私がまず大切だと思うのは、新しいニキビ跡を増やさないことです。

今も赤いニキビや膿をもつニキビを繰り返している場合には、まずはその炎症を落ち着かせることが大切です。

ニキビ跡についてよくある質問

Q. 赤いニキビ跡は自然に消えますか?

炎症後の赤みであれば、時間とともに徐々に薄くなることがあります。ただし、改善までには個人差があります。

Q. 紫色のニキビ跡は血が残っているのですか?

必ずしもそうとは限りません。炎症後の血管変化などによって赤紫〜紫色に見える場合があります。色だけで原因を断定することはできません。

Q. 茶色いニキビ跡はシミですか?

炎症後色素沈着であることがあります。ニキビの炎症によってメラニンが増え、茶色く見える状態です。

Q. ニキビ跡のクレーターは自然に治りますか?

皮膚の構造が変化した萎縮性瘢痕の場合、赤みや色素沈着のように自然経過だけで元に戻ることは期待しにくいです。

Q. 盛り上がったニキビ跡は何ですか?

肥厚性瘢痕やケロイドの可能性があります。特に胸・背中・あご周りなどにみられることがあります。

名古屋市南区で「自分のニキビ跡、ニキビ治療」でお悩みの方へ

鏡を見るたびに、

  • 「赤いからまだニキビが治っていないのかな」
  • 「茶色いからシミになってしまった?」
  • 「このでこぼこはもう治らないのかな」

と気になる方もいらっしゃると思います。

同じ「ニキビ跡」に見えても、

  • 時間とともに薄くなる可能性があるもの
  • 色素沈着として残っているもの
  • 皮膚の構造が変わっているもの
  • 盛り上がる瘢痕

では、治療方針や考え方が違います。

まずは今の跡が何なのかを医療機関で知る。

そのうえで、

「少し経過を見てみる」

「今あるニキビの治療を先にする」

「跡について治療を考えてみる」

など、いくつかの選択肢から患者さんご自身に選んでいただければよいと思います。

名古屋市南区・桜本町周辺で、赤いニキビ跡、茶色い跡、クレーター、盛り上がったニキビ跡などが気になる方は、太田皮フ科クリニックへご相談ください。

「これが治療の必要なニキビ跡なのか分からない」

という段階でも大丈夫です。

まずは今のお肌を一緒に確認するところから始めましょう。

参考文献