太田皮フ科クリニック

ニキビ跡は自然に治る?赤み・色素沈着・クレーターの違いと改善の目安を皮膚科医が解説

監修:太田多美 日本皮膚科学会認定皮膚科専門医 医学博士

著者:太田皮フ科クリニック

  • ニキビ跡
  • ニキビ
  • 色素沈着
  • 赤み
  • クレーター
  • ターンオーバー
  • 尋常性ざ瘡
  • 皮膚科
  • 名古屋市南区
  • 桜元町

ニキビ跡

ニキビ跡は種類によって自然経過が異なります。赤みや色素沈着と、クレーター状の瘢痕との違い、肌のターンオーバーとの関係、改善まで時間がかかる理由について皮膚科医が解説します。

はじめに

  • 「ニキビは治ったのに、茶色い跡がなかなか消えない」
  • 「このニキビ跡は、そのうち自然に薄くなるのでしょうか?」
  • 「何か治療をした方がいいのか、それとも待っていてもいいのか分かりません」

ニキビそのものが落ち着いたあと、このようなことで悩まれている方もいらっしゃると思います。

こんにちは。

名古屋市南区の太田皮フ科クリニック、皮膚科医の太田多美です。

以前の記事では、ニキビ跡には「赤み」「色素沈着」「皮膚のへこみ」など、いくつかの種類があることをお話ししました。

今回お伝えしたいのは、その次のお話です。

できてしまったニキビ跡は、自然に改善するのでしょうか。

結論からいうと、ニキビ跡は種類によって経過が違います。

赤みや茶色い色素沈着は、時間の経過とともに目立ちにくくなることがあります。一方、皮膚そのものがへこんだクレーター状の瘢痕は、同じように「肌のターンオーバーを待てば元に戻る」とは考えにくいものです。

米国皮膚科学会(AAD)も、ニキビ後の平らな色の変化は時間とともに薄くなることがある一方、瘢痕は残る場合があると説明しています。

まずは、自分のニキビ跡がどのような状態なのかを知るところから考えてみましょう。

ニキビ跡は自然に治る?

大まかに整理すると、次のように考えることができます。

ニキビ跡の状態
自然経過での変化
赤み
時間とともに薄くなることがある
茶色い色素沈着
徐々に薄くなることがある
凹んだクレーター
自然経過だけでは元に戻りにくい
盛り上がった瘢痕
自然に平らにならない場合がある

これは、あくまでも一般的な傾向です。

同じ「茶色い跡」に見えても色素が存在する深さは異なりますし、赤みと色素沈着、瘢痕が混ざっていることもあります。

そもそも肌の「ターンオーバー」とは?

皮膚の表面にある表皮では、新しい細胞が作られ、少しずつ表面へ移動し、最後は角質としてはがれ落ちていきます。

この新陳代謝を、一般的に「肌のターンオーバー」と呼びます。

よく、

「肌は28日で生まれ変わる」

という言葉を聞くかもしれません。

ただし、実際にはすべての方の肌が28日周期で一斉に入れ替わるわけではありません。

研究によって「ターンオーバー」の測定方法や定義も異なり、人の表皮全体の更新を40〜56日程度とする報告もあります。また、年齢が上がると表皮細胞の更新速度が低下することも報告されています。

つまり、

「28日待てばニキビ跡が消える」

というほど単純ではありません。

ターンオーバーの速さには個人差があります

皮膚の状態は、

  • 年齢
  • 炎症の程度
  • 紫外線
  • 肌への刺激
  • 生活環境
  • 部位
  • その方自身の皮膚の状態

など、さまざまな要因の影響を受けます。

そのため、「あと何日で消えます」と一律にお伝えすることは難しいのです。

私は患者さんにも、期間だけを見るのではなく、少しずつ薄くなっているか、変化が止まっているかを見ていくことが大切だとお話ししています。

茶色いニキビ跡「色素沈着」は自然に薄くなる?

ニキビが治った場所に、

  • 茶色い跡
  • 褐色のシミのような跡

が残ることがあります。

これは炎症後色素沈着である可能性があります。

ニキビの炎症によってメラニンの産生が増え、それが皮膚に残ることで茶色く見える状態です。

表皮にある色素沈着は徐々に薄くなることがあります

色素が比較的皮膚の浅い部分にある場合には、皮膚の新陳代謝に伴って、徐々に目立ちにくくなることがあります。

ただし、

「1回ターンオーバーしたから消える」わけではありません。

数か月かけて変化していく場合もありますし、肌の状態によってはさらに長くかかることもあります。

深い部分までメラニンが存在すると時間がかかることがあります

炎症が強い場合などには、メラニンが表皮だけではなく、より深い真皮側に存在することがあります。

この場合は、表皮のターンオーバーだけで単純に排出されるものではないため、改善まで長い時間が必要になることがあります。

ニキビ跡の色素沈着は「待っていれば必ず消える」とは限りません

ここも大切です。

炎症後色素沈着は時間の経過とともに薄くなることがありますが、

  • 新しいニキビを繰り返している
  • 日焼けが続いている
  • ニキビを触ったりつぶしたりしている
  • 摩擦などの刺激が続いている

場合には、なかなか目立たなくならないことがあります。

特に紫外線は色素沈着を濃くしたり長引かせたりする要因になるため、日焼け対策も大切です。

「茶色いニキビ跡」と「クレーター」は同じではありません

「ニキビ跡をターンオーバーで治したい」

というご相談もあります。

ここで知っておいていただきたいのは、

色の変化と、皮膚そのものの形が変わってしまった瘢痕は別の状態

ということです。

色素沈着

皮膚の表面はほぼ平らで、

  • 茶色
  • 褐色

などの「色」が残っている状態です。

時間とともに目立ちにくくなる可能性があります。

クレーター状のニキビ跡

ニキビの強い炎症によって皮膚の深い部分が傷つき、

  • 凹む
  • でこぼこする
  • 影ができる

といった皮膚構造の変化が起きている状態です。

このタイプは、表皮のターンオーバーを待つだけでは改善しにくいと考えられます。

「ニキビ跡が消えない」と感じたら、まず確認を

ニキビ跡がなかなか改善しないと、

「肌のターンオーバーが悪いのかな」

「もっとピーリングをした方がいいのかな」

と考えてしまうことがあります。

でも、その前に大切なのは、

本当に色素沈着なのか、それとも瘢痕なのかを見分けることです。

同じ「ニキビ跡」という言葉でも、

  • 赤み
  • 色素沈着
  • 凹み
  • 盛り上がり

では治療の考え方が違います。

複数のタイプが混在していることも珍しくありません。

ニキビ跡を改善する前に、今あるニキビを治療することも大切です

「ニキビ跡をどうにかしたい」

というお気持ちはよく分かります。

ただ、今も新しいニキビが次々にできている場合には、跡だけを見るのではなく、まず新しいニキビを減らすことも大切です。

新しい炎症を繰り返せば、また新しいニキビ跡ができる可能性があるためです。

日本皮膚科学会の「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023」でも、ニキビは慢性炎症性疾患であり、軽症でも瘢痕を残すことがあるため、早期からの適切な治療が重要とされています。

ニキビ跡は「今すぐ治療しなければいけない」わけではありません

ニキビ跡があるからといって、

「必ず治療を受けなければいけない」

ということではありません。

色素沈着や赤みであれば、経過を見ながら自然に目立ちにくくなるのを待つことも選択肢の一つです。

一方で、

  • 数か月たってもほとんど変化がない
  • 茶色い跡が増えている
  • へこみが気になってきた
  • 新しいニキビも繰り返している
  • 自分がどのタイプなのか分からない
  • ニキビ跡が気になって人前に出るのがつらい

という場合には、一度皮膚科へ相談してみてもよいと思います。

治療するかどうかは、そのあと決めれば大丈夫です。

ニキビ跡についてよくある質問

Q. ニキビ跡はターンオーバーで治りますか?

色素沈着など皮膚の色の変化は、時間の経過や表皮の新陳代謝とともに薄くなることがあります。一方、皮膚の深い部分が傷ついてできたクレーター状の瘢痕は、ターンオーバーだけで元に戻ることは期待しにくいです。

Q. 肌のターンオーバーは28日ですか?

「約28日」と説明されることがありますが、すべての方に当てはまる固定値ではありません。研究によって測定方法や定義が異なり、年齢によっても表皮の更新速度は変化します。

Q. 茶色いニキビ跡は自然に消えますか?

炎症後色素沈着であれば、時間とともに薄くなることがあります。ただし、色素の深さや肌質、紫外線などによって経過には個人差があります。

Q. ニキビ跡が何か月も消えない場合は皮膚科に行った方がいいですか?

必ず受診しなければならないわけではありません。ただ、変化がない、新しいニキビを繰り返している、へこみがある、種類が分からない場合には、一度皮膚科で状態を確認するのも一つの方法です。

Q. ニキビ跡のクレーターも自然に治りますか?

皮膚組織そのものが変化した萎縮性瘢痕は、色素沈着とは異なり、自然経過のみでは目立たなくなりにくい傾向があります。

名古屋市南区でニキビ跡がなかなか消えずお悩みの方へ

「時間がたてば消えるのかな」

と思いながら、毎日鏡を見るたびに気になってしまう。

そんな方もいらっしゃると思います。

ニキビ跡には、時間とともに薄くなっていくものもあります。

一方で、種類によっては自然経過だけでは改善が難しいものもあります。

だから私は、

すぐに治療を始めることよりも、まず「今のニキビ跡がどのような状態なのか」を知ることが大切

だと思っています。

診察を受けたからといって、何か治療をしなければならないわけではありません。

「これは少し待ってみてもよさそうですね」

ということもありますし、

「新しいニキビを減らすことから始めてみましょう」

という場合もあります。

いくつか選択肢がある場合には、それぞれをお話ししたうえで、最終的にどうするかは患者さんご自身に選んでいただければよいと考えています。

名古屋市南区・桜本町周辺で、ニキビ跡の赤み、茶色い色素沈着、クレーターなどが気になっている方は、太田皮フ科クリニックへご相談ください。

「治療するほどなのか分からない」という段階でも大丈夫です。

まずは現在のお肌がどの状態なのか、一緒に確認していきましょう。

参考文献