太田皮フ科クリニック

ニキビは皮膚科に行くべき?跡を残さないために早めに相談してほしい理由

監修:太田多美 日本皮膚科学会認定皮膚科専門医 医学博士

著者:太田皮フ科クリニック

  • ニキビ跡
  • ニキビ
  • 赤み
  • 色素沈着

ニキビ跡

ニキビが治ったあとに残る赤みや茶色い色素沈着、でこぼこしたクレーター状の跡について、それぞれの違いと原因を解説します。ニキビ跡をできるだけ残さないために、早めに炎症を抑えることの大切さも紹介します。

はじめに

「ニキビくらいで皮膚科に行ってもいいのでしょうか?」

診療をしていると、時々このようなお話を伺います。

ニキビはとても身近なものです。

特に思春期には多くの方が経験するため、「青春のシンボル」と表現されることもあり、

  • 「そのうち治るのでは?」
  • 「病院に行くほどではないのでは?」

と思われるのも無理のないことだと思います。

こんにちは。

名古屋市南区・太田皮フ科クリニック、皮膚科医の太田多美です。

まず最初にお伝えしたいのは、

ニキビで皮膚科を受診するのは、決して大げさなことではありません。

ニキビは医学的には「尋常性痤瘡(じんじょうせいざそう)」と呼ばれる、皮膚の慢性炎症性疾患です。

だからといって、

「ニキビができたら、すぐに何か治療をしなければいけません」

と申し上げたいわけではありません。

症状も、気になり方も、人それぞれです。

ただ、ひとつ知っておいていただきたいのは、ニキビは炎症が長く続くほど、あとが残りやすくなることがあるということです。

治療するかどうかを決めるのは患者さんです。

その判断材料として、「ニキビという病気を少し知っておく」。

今回は、そんな気持ちで読んでいただければと思います。

ニキビは「青春のシンボル」ではなく、皮膚の病気です

ニキビは珍しい病気ではありません。日本皮膚科学会のガイドラインでは、尋常性痤瘡は日本人の90%以上が経験すると記述があります。

その身近さゆえに、

「みんなできるものだから放っておけばいい」

と考えられてしまうことがあります。

しかし、医学的には、ニキビは毛包脂腺系を中心として起こる慢性炎症性疾患です。身近な病気であることと、治療する意味がないことは、まったく別です。

ニキビはなぜできるのでしょうか?

ニキビには一つだけではなく、複数の要因が関係しています。

大きく整理すると、

  1. 皮脂の分泌が増える
  2. 毛穴がつまりやすくなる
  3. 毛穴の中でアクネ菌などが増える
  4. 炎症が起こる

という流れがあります。

1. 皮脂の分泌が増える

ニキビは、思春期から青年期に多くみられます。

この時期にはホルモンの影響などによって、皮脂腺が活発になります。

特にアンドロゲンなどの影響を受けることで皮脂の分泌が増え、ニキビができやすい環境につながります。

顔だけでなく、

  • 胸
  • 背中
  • 肩まわり

など、皮脂腺が発達している部位にもニキビはできます。

2. 毛穴の出口がつまります

皮脂が増えるだけでニキビになるわけではありません。

毛穴の出口の角化がうまくいかなくなると、毛穴の中に皮脂や角質がたまりやすくなります。

こうしてできるのが、

面皰(めんぽう/コメド)

です。

一般的には、

  • 白ニキビ
  • 黒ニキビ

などと呼ばれる状態が含まれます。

一見するとまだ炎症がなく、「これくらいなら大丈夫」と思うかもしれません。

ですが、実はこの面皰の段階からニキビの治療を考えることが重要です。

アクネ菌は「悪い菌」なのでしょうか?

ニキビというと、

「アクネ菌をなくせば治る」

と思われることがあります。

ですが、少し違います。

アクネ菌は、健康な人の皮膚にも存在する常在菌の一つです。

つまり、

アクネ菌がいることそのものが異常なわけではありません。

問題になるのは、毛穴がつまり、皮脂が多く、酸素が少ない環境ができることで、アクネ菌が増えやすくなり炎症につながることです。

そのためニキビ治療では、単に「菌を殺す」だけではなく、

  • 毛穴のつまりを改善する
  • 炎症を抑える
  • 新しいニキビをできにくくする

といった複数の視点が必要になります。

白ニキビから赤ニキビになるのはなぜ?

最初は毛穴のつまりだったニキビでも、炎症が起きると赤く腫れてきます。

これが、一般的にいわれる赤ニキビです。

さらに炎症が強くなると、

  • 膿をもつ
  • 痛くなる
  • 大きく腫れる

といった状態になることがあります。

ここで一つ気をつけていただきたいことがあります。

炎症が強く、長く続くほど、周囲の皮膚組織まで傷ついてしまうことがあるということです。

これが「ニキビ跡」につながります。

ニキビ跡にはどんなものがありますか?

「ニキビ跡」と一言でいっても、実はいくつか種類があります。

ニキビのあと
特徴
赤み
ニキビが治ったあとも赤みが残る
色素沈着
茶色っぽい色が残る
凹み・クレーター
皮膚の組織が傷つき、凹凸が残る
盛り上がり
一部では傷あとが盛り上がることもある

赤みや色素沈着については時間とともに薄くなるものもあります。

一方で、皮膚が凹んでしまった瘢痕は、できてしまってから元の状態へ戻すことが難しい場合があります。

「治す」だけでなく、「跡にしない」ことが大切です

ニキビ治療で私が大切だと思っているのは、

今あるニキビを治すことだけではありません。

これからできるニキビを減らし、

なるべく跡を残さないこと。

ここまで含めて考えることが大切です。

一度できてしまった深いニキビ跡を治療するよりも、炎症の段階で適切に治療して瘢痕になることを防ぐ方が、患者さんにとって負担が少ない場合があります。

そのため、ニキビ治療では

早期診断・早期治療

という考え方が大切になります。

ニキビ跡は見た目だけの問題ではありません

顔にできるニキビは、人から見える場所だからこそ、患者さん自身が思っている以上に負担になることがあります。

  • 「人と目を合わせたくない」
  • 「写真に写りたくない」
  • 「学校へ行くのが嫌になった」
  • 「マスクを外すのが怖い」

そんな気持ちを抱えている方もいらっしゃいます。

日本皮膚科学会でも、ニキビが生活の質(QOL)を低下させ、中高生では心理社会的な問題につながることがあると指摘しています。

「命に関わる病気ではないから我慢する」

必要はありません。

気になる程度は人によって違います。

本人が困っているのであれば、それは相談してよい理由だと思います。

大人になってからできる「大人ニキビ」もあります

ニキビは思春期だけのものではありません。

20代、30代以降になっても、

  • あご
  • フェイスライン
  • 口の周り

などに繰り返すことがあります。

一般的に「大人ニキビ」と呼ばれることがありますが、ニキビ以外の皮膚疾患が似た見た目をする場合もあります。

そのため、

「ずっとニキビだと思ってスキンケアを続けているけれど治らない」

という場合には、一度皮膚科で診断を受けることも選択肢になります。

ニキビ治療は「治ったら終わり」とは限りません

ニキビは慢性的に繰り返しやすい病気です。

赤いニキビが落ち着いても、毛穴の中には目には見えにくい「微小面皰」が残っていることがあります。

そのため現在のニキビ治療では、

炎症が治まったあとも、再発を防ぐための維持療法を続ける

という考え方があります。

「赤みがなくなったからすぐ全部やめる」のではなく、皮膚の状態を見ながら治療方法を調整していくことが大切です。

ニキビの治療は、一緒に選んでいけばいいと思っています

皮膚科を受診すると、

「強い薬を使わなければいけないのでは?」

「美容治療を勧められるのでは?」

と心配される方もいらっしゃるかもしれません。

太田皮フ科クリニックでは、一般皮膚科としてニキビなどの皮膚トラブルを保険診療で診ています。

もちろん、症状によって治療方法はいくつかあります。

でも、

どこまで治療したいのか。

それを決めるのは患者さんです。

私はまず、

「今どんなことに困っているのか」

「どのくらい気になっているのか」

を伺い、そのうえで治療の選択肢をお伝えしたいと思っています。

無理に治療を進めるのではなく、

それぞれのメリットや注意点を知ったうえで、ご自身が納得できる方法を選んでいただく。

それが大切だと考えています。

ニキビについてよくある質問

Q. ニキビは皮膚科に行った方がいいですか?

すべてのニキビで必ず受診が必要というわけではありません。ただし、繰り返す、炎症が強い、痛みがある、跡が残り始めている、市販薬で改善しない場合には、早めに皮膚科へ相談することも選択肢です。

Q. ニキビを放置するとニキビ跡になりますか?

すべてのニキビが跡になるわけではありません。しかし、強い炎症が長く続くと、周囲の皮膚組織が傷つき、瘢痕につながることがあります。日本皮膚科学会も、軽症であっても瘢痕を残す場合があるとしています。

Q. ニキビ跡になってから皮膚科へ行っても遅いですか?

相談することはできます。ただし、ニキビ跡の種類によって治療方法や改善の程度は異なります。そのため、できてしまった跡を治療するだけでなく、新しいニキビを減らしてこれ以上跡を増やさないことも重要です。

Q. アクネ菌を殺せばニキビは治りますか?

単純ではありません。アクネ菌は健康な皮膚にも存在する常在菌です。ニキビには皮脂分泌、毛穴のつまり、炎症など複数の要因が関わるため、それぞれを考えながら治療します。

Q. 大人ニキビも皮膚科で相談できますか?

はい。成人になってからあごやフェイスラインなどに繰り返すニキビも相談できます。ニキビと似た別の皮膚疾患の場合もあるため、長期間改善しない場合には診断を受けることも一つの方法です。

名古屋市南区で「ニキビくらいで受診していいのかな」と迷っている方へ

ニキビは、誰にでも起こり得る身近な病気です。

だからこそ、

「これくらいなら我慢しなくては」

と思ってしまう方も少なくありません。

でも、ニキビは皮膚の病気です。

そして、一度できた跡の中には治療が難しいものもあります。

だから私は、

ひどくなってから慌てて治療するよりも、気になった段階で一度相談していただく方がよいこともある

と思っています。

もちろん、

「受診したら必ず治療を始めなければいけない」

わけではありません。

お肌の状態を見て、何もしないという選択肢も含めて、一緒に考えていければと考えています。

「同じところに何度もニキビができる」

「赤いニキビがなかなか治らない」

「ニキビ跡をこれ以上増やしたくない」

そんなときは、どうぞ気負わずご相談ください。

名古屋市南区・桜本町周辺でニキビやニキビ跡についてお悩みの方は、太田皮フ科クリニックでご相談いただけます。

まずは現在のお肌を拝見し、必要な治療があるのか、どんな選択肢があるのかを一緒に整理していきましょう。