太田皮フ科クリニック

ニキビの重症度はどう決まる?軽症・中等症・重症の判定基準を解説

監修:太田多美 日本皮膚科学会認定皮膚科専門医 医学博士

著者:太田皮フ科クリニック

  • ニキビ
  • ニキビ重症度
  • 尋常性ざ瘡
  • 赤ニキビ
  • 皮膚科
ニキビの重症度はどう決まる?軽症・中等症・重症の判定基準を解説のサムネイル画像

ニキビには、顔の片側にある炎症性皮疹の数を目安にした重症度判定基準があります。軽症・中等症・重症・最重症の違い、白ニキビや赤ニキビなどの種類、皮膚科への相談を考えたい症状について解説します。

ニキビには、炎症のあるニキビの数を目安にした「重症度」の判定基準があります。

日本皮膚科学会の「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023」では、顔の片側にある炎症性皮疹の数によって、軽症・中等症・重症・最重症の4段階に分類しています。[1][2]

ただし、この数字は「21個になるまでは皮膚科へ行かなくてよい」という基準ではありません。

赤く腫れたニキビが増えている、何度も繰り返す、なかなか改善しない、ニキビ跡が気になるといった場合には、重症になる前から皮膚科へ相談することができます。

ニキビの重症度はどうやって判定する?

日本で用いられているニキビの重症度判定基準では、顔の片側にある炎症性皮疹の数を目安にします。[1][2]

重症度
片顔の炎症性皮疹数
軽症
5個以下
中等症
6〜20個
重症
21〜50個
最重症
51個以上

ここでいう炎症性皮疹とは、主に赤く盛り上がった丘疹や、膿を伴う膿疱などです。[1]

白ニキビや黒ニキビも数える?

この重症度判定で数えるのは、主に炎症性皮疹です。

白ニキビや黒ニキビにあたる面皰は、この「片顔の炎症性皮疹数」による分類には含めません。[1][2]

つまり、

  • 白ニキビがたくさんある
  • 黒ニキビが多い

というだけで、この表の「重症」と判定するものではありません。

一方で、白ニキビや黒ニキビも尋常性ざ瘡の皮疹であり、治療対象になることがあります。

ニキビが21個以上なら「重症」

顔の片側に炎症性皮疹が21〜50個ある場合、この基準では「重症」に分類されます。[1][2]

51個以上になると「最重症」です。

ただし、この数字は患者さん自身が治療の必要性を判断するためだけのものではありません。

実際の診療では、

  • 炎症の強さ
  • 面皰の状態
  • 結節や嚢腫の有無
  • これまでの経過
  • 瘢痕の有無
  • 治療への反応

なども含めて医師が状態を確認します。

「まだ20個以下だから大丈夫」と考えて治療を先延ばしにするための基準ではありません。

ニキビが重症になるまで受診を待つ必要はありません

日本皮膚科学会のガイドラインでは、軽症の炎症性ニキビから医療用外用薬による治療が推奨されています。[1]

したがって、皮膚科を受診するために「重症」になるまで待つ必要はありません。

例えば、

  • 赤く腫れたニキビが増えてきた
  • 膿を伴うニキビがある
  • 同じ場所に何度も繰り返す
  • なかなか改善しない
  • 痛みのあるニキビがある
  • ニキビの跡が残り始めている
  • ニキビなのか別の皮膚疾患なのか分からない

といった場合は、皮膚科へ相談することを検討してください。

ニキビの重症度は炎症性皮疹の数で分類できますが、重症になるまで受診を待つ必要はありません。赤く腫れたニキビが増えている、繰り返す、なかなか改善しない、跡が気になる場合は皮膚科へご相談ください。

当日の診察受付をする

※Web受付は当日の順番受付です。混雑状況などにより、インターネットでの受付時間が短縮・休止される場合があります。

炎症のないニキビにはどのような種類がある?

ニキビは、大きく見ると炎症の目立たない面皰と、炎症を伴う皮疹に分けて考えることができます。[1]

微小面皰

微小面皰は、ニキビの皮疹が現れる前からみられる病理組織学的な変化です。

毛穴の出口にあたる毛包漏斗部がつまって、毛包の中に皮脂がたまっている状態です。[1]

見た目では明らかなニキビとして分からない場合があります。

白ニキビ

白ニキビは、医学的には閉鎖面皰にあたります。

毛穴の出口が閉じた状態で、毛包の中に皮脂がたまっています。[1]

炎症が目立たない段階ですが、ニキビの治療対象となることがあります。

黒ニキビ

黒ニキビは、医学的には開放面皰にあたります。

毛穴の出口が開いた状態の面皰です。[1]

白ニキビと同様に炎症性皮疹ではないため、今回紹介した炎症性皮疹数による重症度判定では数えません。

炎症を伴うニキビにはどのような種類がある?

赤ニキビ

赤く盛り上がったニキビは、炎症性皮疹の一つである紅色丘疹に相当します。[1]

炎症によって赤みや腫れがみられ、触れると痛みを感じることがあります。

ガイドラインでは、直径5mmを超える丘疹を「結節」と呼ぶことがあるとされています。[1]

膿を伴うニキビ

炎症があり、黄色や白色の膿を伴うものは膿疱と呼ばれます。

紅色丘疹と膿疱は、いずれも重症度判定で数える炎症性皮疹に含まれます。[1]

強い炎症が続くと、炎症後に瘢痕が残ることがあります。

嚢腫・硬結

嚢腫や硬結は、非常に強い炎症を伴う重症なニキビでみられることがあります。[1]

大きく腫れたり、皮膚の下に硬いしこりのように触れたりする場合があります。

このような症状がある場合は、自己判断で押したりつぶしたりせず、皮膚科で状態を確認することが大切です。

ニキビ跡を残すことがあります

ニキビは炎症が治まったあとにも、皮膚に変化が残ることがあります。

日本皮膚科学会のガイドラインでは、ニキビの瘢痕として、

  • 皮膚がへこむ陥凹性瘢痕
  • 盛り上がる肥厚性瘢痕やケロイド
  • 色素沈着

などが挙げられています。[1]

炎症が強くなる前から適切な治療について相談することは、将来の跡について考えるうえでも重要です。

自分で重症度を判定すればよい?

重症度表は、自分の状態を理解する一つの目安として利用できます。

ただし、この基準はもともと皮膚科医による重症度評価と炎症性皮疹数との関係を検討して作られたものです。[2]

見た目が似ていても、

  • 面皰なのか
  • 紅色丘疹なのか
  • 膿疱なのか
  • 結節なのか
  • ニキビとは別の皮膚疾患なのか

を自分で正確に区別するのが難しい場合もあります。

そのため、表だけで自己診断を完結させるのではなく、気になる症状が続く場合は皮膚科で診断を受けてください。

よくある質問

赤ニキビが5個以下なら皮膚科へ行かなくてもよいですか?

いいえ。

5個以下は重症度分類では「軽症」に当たりますが、「治療する必要がない」という意味ではありません。[1]

軽症の炎症性皮疹に対しても、ガイドラインで推奨されている医療用外用薬があります。[1]

症状が繰り返す、悪化している、跡が気になる場合などは個数だけにかかわらず相談できます。

白ニキビは重症度の数に入りますか?

今回紹介した判定方法では、白ニキビにあたる閉鎖面皰は炎症性皮疹数には含めません。[1][2]

ただし、白ニキビも尋常性ざ瘡の一部であり、治療対象になることがあります。

顔以外の背中や胸のニキビにも同じ数字を使いますか?

今回の基準は、顔の片側にある炎症性皮疹数を用いた重症度分類です。[1][2]

胸や背中の症状をこの数字だけで自己判定するものではありません。

顔以外に多数の炎症性皮疹がある場合も、皮膚科で状態を確認してください。

まとめ

ニキビには、炎症性皮疹の数を目安にした重症度判定基準があります。

顔の片側で、

  • 5個以下:軽症
  • 6〜20個:中等症
  • 21〜50個:重症
  • 51個以上:最重症

と分類されます。[1][2]

ただし、これは「重症になるまでは受診しなくてよい」という基準ではありません。

ニキビは軽症でも治療対象になります。赤いニキビが増えている、繰り返している、なかなか改善しない、跡が気になるといった場合は、重症化を待たず皮膚科へ相談してください。

参考文献

  1. 日本皮膚科学会「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023」、日本皮膚科学会雑誌 2023;133(3):407-450、2023年8月20日更新版、2026年9月15日確認。日本皮膚科学会「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023」
  2. Hayashi N, Akamatsu H, Kawashima M, Acne Study Group. Establishment of grading criteria for acne severity. J Dermatol. 2008;35(5):255-260. PubMed「Establishment of grading criteria for acne severity」