赤ニキビが治らないときはどうする?皮膚科の治療と受診の目安
監修:太田多美 日本皮膚科学会認定皮膚科専門医 医学博士
著者:太田皮フ科クリニック
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赤ニキビは炎症を伴うニキビです。長く続く、繰り返す、膿やしこりがあるときの受診目安と、アダパレン・過酸化ベンゾイル・抗菌薬など皮膚科で行う標準的な治療を解説します。
赤ニキビは、毛穴の周囲に炎症が起こり、赤く盛り上がった状態のニキビです。[1]
なかなか治らない、同じ場所に繰り返す、次々に新しい赤ニキビができる場合は、自己流のスキンケアだけで対応し続けず、皮膚科で状態を確認することをおすすめします。
ニキビは慢性的に経過する皮膚疾患で、炎症が強い状態が続くと瘢痕が残ることもあります。[1]
赤ニキビが治らないときはどうしたらよい?
「1か月以上なら異常」というような一律の期間だけで、受診の必要性を判断することはできません。
一つひとつのニキビが改善していても、新しいニキビが次々にできることがあります。また、見た目がニキビに似ていても、別の皮膚疾患の場合があります。
例えば、
- 赤く腫れたニキビが増えている
- 膿を伴うニキビがある
- 痛みや硬いしこりがある
- 同じ場所に繰り返している
- 適切にケアしても改善が乏しい
- ニキビ跡が残り始めている
- 本当にニキビなのか分からない
といった場合は、皮膚科へ相談してください。
日本皮膚科学会でも、ニキビは皮膚科の診療対象であり、早期から医療機関で治療できる疾患とされています。[2][3]
赤ニキビとは?
赤ニキビは、炎症性皮疹の一つです。
毛穴のつまりから始まったニキビに炎症が生じると、赤く盛り上がった丘疹や、膿を伴う膿疱になることがあります。[1]
ニキビの実際の症状では、
- 面皰
- 紅色丘疹
- 膿疱
- 炎症後の赤み
などが混在することがあります。[1][4]
そのため、「赤いものだけを治せばよい」というわけではなく、周囲にある白ニキビや黒ニキビなどの面皰も含めて治療することが大切です。
赤ニキビが長引く理由は一つではありません
赤ニキビが改善しにくい理由は、人によって異なります。
新しいニキビが次々にできている
今ある赤ニキビが改善しても、その周囲にある目に見えにくい微小面皰から新しいニキビが生じることがあります。
そのため、治療では炎症している部分だけでなく、毛穴のつまりを改善し、新しいニキビをできにくくする治療も重要です。[1]
治療が炎症だけに偏っている
抗菌薬は炎症性ニキビに使用されますが、抗菌薬だけを長期間続けるのではなく、アダパレンや過酸化ベンゾイルなどを組み合わせる治療が推奨されています。[1][2]
炎症が落ち着いた後には、抗菌薬を中止し、アダパレンや過酸化ベンゾイルなどによる維持療法へ移行することが標準的です。[2]
スキンケアが刺激になっている
ニキビを何度も触る、つぶす、強く洗うといった刺激は避けましょう。
また、治療薬によって乾燥する場合は、肌の状態に応じて保湿を行います。[3]
保湿剤はニキビ自体を治療する薬ではありませんが、治療による乾燥や刺激を抑える目的で併用することがあります。[1][5]
ニキビ以外の病気の可能性がある
赤いぶつぶつが長期間改善しない場合、すべてが尋常性ざ瘡とは限りません。
見た目が似た皮膚疾患では治療方法が異なることがあるため、改善しない場合は自己判断だけで薬を変更せず、医師による診断を受けることが大切です。
皮膚科では赤ニキビをどのように治療する?
皮膚科では、ニキビの種類、炎症の程度、数、これまでの治療歴、肌の状態などを確認して治療を選びます。
すべての患者さんに同じ薬を使うわけではありません。
面皰・白ニキビ・黒ニキビの治療
炎症のない面皰には、主に毛穴のつまりを改善する治療を行います。
日本皮膚科学会のガイドラインでは、
- アダパレン
- 過酸化ベンゾイル
- アダパレン/過酸化ベンゾイル配合剤
などが推奨されています。[1]
面皰圧出が治療の選択肢になることもあります。
乾燥がある場合や治療薬によって刺激が生じる場合には、保湿などのスキンケアも併用します。
赤ニキビの治療
赤く炎症を起こしたニキビでは、症状に応じて、
- 過酸化ベンゾイル
- アダパレン
- アダパレン/過酸化ベンゾイル配合剤
- クリンダマイシン/過酸化ベンゾイル配合剤
- 外用抗菌薬
- 内服抗菌薬
などを単独または組み合わせて使用します。[1][2]
中等症以上では、内服抗菌薬と外用薬を組み合わせる治療が選択される場合があります。[1]
抗菌薬はいつまで使う?
ニキビ治療では、抗菌薬を必要以上に長期間使用し続けないことが重要です。
日本皮膚科学会では、抗菌薬などを使って炎症を積極的に治療する急性炎症期は原則3か月までとされています。[1]
炎症が改善した後は、抗菌薬を中止し、
- アダパレン
- 過酸化ベンゾイル
- アダパレン/過酸化ベンゾイル配合剤
などを用いた維持療法へ移行します。[1][2]
実際の治療期間は症状や治療への反応によって異なるため、自己判断で抗菌薬を中止・継続せず、医師の指示に従ってください。
膿を伴うニキビの治療
膿疱も炎症性皮疹に含まれます。
赤ニキビと同様に、過酸化ベンゾイルや抗菌薬を含む治療などを、症状に応じて組み合わせます。[1][2]
「膿があるから抗菌薬だけ」という治療ではなく、周囲にある面皰や新しいニキビの発生まで考えて治療します。
大きなしこりや嚢腫がある場合
炎症が深く、大きなしこりや嚢腫を形成することがあります。
日本皮膚科学会のガイドラインでは、炎症を伴う嚢腫に対する嚢腫内へのステロイド局所注射が治療選択肢として推奨されています。[1]
ただし、すべてのしこりに行う処置ではありません。
また、嚢腫の外へ薬剤が注入されると皮膚の萎縮性陥凹を生じる可能性があるため、医師が適応を判断して行う治療です。[1]
漢方薬を使うこともあります
ニキビの状態によっては、漢方薬が治療の選択肢となる場合があります。
一方、日本皮膚科学会のガイドラインでは、アダパレン、過酸化ベンゾイル、配合剤、抗菌薬などと比べると推奨の位置づけは異なります。[1]
そのため、標準治療の代わりとして一律に使用するものではなく、症状に応じて医師が判断します。
ニキビ跡を残すことがあります
炎症性ニキビが続くと、
- 皮膚がへこむ陥凹性瘢痕
- 盛り上がる肥厚性瘢痕やケロイド
- 炎症後の色素変化
などが残ることがあります。[1]
特に強い炎症を伴うニキビでは、炎症をできるだけ長引かせないことが重要です。
赤ニキビが治らないときは皮膚科へ相談を
赤ニキビには医療機関で行える治療があります。
「何日経ったら必ず受診」という一律の線引きはありませんが、
- 炎症したニキビが増えている
- 新しいニキビが繰り返しできる
- 膿を伴う
- 痛みやしこりがある
- 治療しても改善が乏しい
- ニキビ跡が気になってきた
場合は、皮膚科へ相談してください。
太田皮フ科クリニックでは、尋常性ざ瘡を一般皮膚科で診療しています。[6]
赤ニキビが長く続く、次々に新しいニキビができる、膿や痛み・しこりを伴う、跡が気になってきた場合は、自己判断だけで治療を続けず皮膚科へご相談ください。
※診察は当日の順番受付です。混雑状況などにより、Web受付時間が短縮・休止される場合があります。[7]
よくある質問
赤ニキビが1か月治らなければ皮膚科へ行くべきですか?
「1か月」を受診の絶対的な境界とする根拠はありません。
期間だけではなく、炎症の強さ、新しいニキビが増えているか、膿やしこりがあるか、跡が残り始めていないかなどを含めて考えます。
長く続く、繰り返す、悪化している場合は皮膚科へ相談してください。
赤ニキビには抗生物質を塗ればよいですか?
抗菌薬は炎症性ニキビの治療に使われますが、それだけが治療ではありません。
過酸化ベンゾイル、アダパレン、配合剤などを組み合わせて治療し、炎症が改善した後は抗菌薬を使わない維持療法へ移行することが推奨されています。[1][2]
市販薬で治らなければ皮膚科へ行ってもよいですか?
はい。
ニキビは皮膚科の診療対象です。[3]
市販薬を長期間試してからでなければ受診できないわけではありません。炎症が強い、繰り返す、跡が気になるなどの場合は早めに相談できます。
赤い跡が残っている場合も赤ニキビですか?
必ずしもそうではありません。
炎症そのものが治まった後に、赤みだけが残ることがあります。[4]
新しい炎症性ニキビなのか、治った後の赤みなのかによって対応が異なるため、判断が難しい場合は診察を受けてください。
まとめ
赤ニキビは、炎症を伴うニキビです。
長く続く場合でも、単純に「1か月治らない=ケアを間違えている」と判断することはできません。
皮膚科では症状に応じて、
- アダパレン
- 過酸化ベンゾイル
- 配合外用薬
- 外用抗菌薬
- 内服抗菌薬
などを組み合わせて治療します。[1][2]
炎症が落ち着いた後も、新しいニキビを予防する維持療法を続けることが重要です。
赤ニキビが増えている、繰り返す、膿やしこりを伴う、ニキビ跡が気になる場合は、悪化を待たず皮膚科へ相談してください。